2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08720
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹川 千尋 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PUNGINELLI Claire 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 赤痢菌 / エフェクター |
Research Abstract |
赤痢菌をはじめとするグラム陰性病原細菌の多くはIII型分泌装置を持ち、これを通じて種々のエフェクターを宿主細胞へ分泌して感染を成立する。赤痢菌の場合には、III型分泌装置より50種類以上のエフェクターを分泌することが推定されているが、腸上皮細胞へ侵入後に菌が分泌するエフェクターの役割については、未だ多くが不明である。本研究では細胞内の赤痢菌から宿主細胞へ分泌されるエフェクターOspHについて、その感染に果たす役割を明らかにすることを目的とした。 前年度の研究の結果、赤痢菌OspH遺伝子の導入による用いて、培養細胞発現ベクターを作製したが、発現を確認することが困難であった。そこで平成21年度は、哺乳動物のコドン使用頻度に最適化したOspH発現ベクターを構築して、OspHの細胞内発現系を再構築し、OspH発現細胞を細胞生物学的に精査した。その結果、OspHは細胞骨格系等の細胞内高次構造を不安定化させる因子であることが示唆された。 さらに、OspHの標的宿主因子を同定するために、GST-OspHタンパク質を用いたプルダウンアッセイを行うとともに、精製タンパク質をタンパク質アレイ解析に供し、複数の標的宿主因子候補を同定した。現在これらの標的宿主因子候補との結合と、OspH活性における作動メカニズムの解析を行っている。
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