2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08727
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮崎 弦太 Kyoto University, 薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GIRARD Anne-Lise Marie 京都大学, 薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ルイス酸触媒 / カチオン性金触媒 / ヒドロアミノ化反応 / ワンポット連続反応 / ジヒドロイソキノリン / エンカルバメイト / アゾメチンイリド / ニチジン |
Research Abstract |
ソフトな金属ルイス酸[In(OTf)_3,AuNTf_2・PPh_3,Pd(OAc)_2]によるアルキンへの窒素原子付加反応を利用したジヒドロイソキノリン合成法を確立し、その反応機構の考察に基づいて多環式天然物の全合成へ応用可能な多成分連結型連続環化反応の開発を目指し次の成果を得た。 1)2-アルキニルベンジルアミン誘導体を用いて、窒素保護基ならびに種々のルイス酸による分子内ヒドロアミノ化反応を検討したところ、AuCl(PPh_3)/AgNTf_2のみが優れた反応性を示し室温下でスムーズに反応が進行し、目的とするジヒドロイソキノリン誘導体を収率良く与えることを見出した。 2)上記の反応を2-アルキニルベンジルイミン誘導体に適用すると、分子内プロトン移動によりアゾメチンイリドが発生し、続いてEtOCOC〓CCO_2Etとの[2+3]環化付加反応を経て三環性化合物を一挙に合成できることを明らかにした。現時点では収率がそれほど高くないことから更なる条件検討が必要であるが、当初の目的は達成しできた。 3)金触媒を用いた簡便なジヒドロイソキノリンの合成法を確立したので、生じたエンカルバメイト部の反応性を利用した連続反応への可能性を検討した。そのため、分子内の適切な位置にアルデヒド、アセタール、電子不足な不飽和結合を持つ基質を合成し、上記で最適化した反応条件にふしたところ、官能基の違いによって異なる結果を与えることがわかった。すなわち、アルデヒド体では目的の反応は進行しないが、アセタールとの縮合反応やα,β-不飽和ケトンへのマイケル付加反応は効率よく進行し、四環性化合物を中程度から高収率で得ることができた。さらに、この結果を利用して、天然アルカロイドNitidineの全合成を達成した。
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Research Products
(1 results)