2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ胚発生能に及ぼすグルココルチコイドの影響とネコ子宮内膜の機能調節に関する研究
Project/Area Number |
08F08733
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奥田 潔 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIEMIENIUCH M 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | グルココルチコイド / インターフェロン / 11β-HSD / ウシ胚 / 発情周期 / 内分泌 / 卵管 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
私たちの研究室では、ウシ子宮内膜において、活性型グルココルチコイドであるコルチゾル(GC)が子宮内膜のプロスタグランディン合成を抑制することにより妊娠の成立に大きな役割を果たす可能性を示してきた。本研究では、GCが初期胚の発生に関与するかどうかを調べる目的で、不活性型グルココルチコイドであるコルチゾンから活性型グルココルチコイドであるコルチゾルへの転換酵素である11β-HSD1活性ならびにグルココルチコイドレセプター(GCR)発現を調べた。また妊娠認識物質として知られるインターフェロン(IFN)τが、ウシ胚のGCを介しているかについても考察を加えた。さらに、胚の発育の場である卵管にGCが作用して胚発育に何らかの役割を果たしているかを明らかにする目的で、ウシ卵管上皮におけるGCRならびに11β-HSD発現の解析も検討し、以下の成果を得た。 受精後0,1,2,4日齢のウシ胚ならびにウシ卵管上皮細胞におけるGCR、11β-HSD1および11β-HSD2 mRNA発現を調べた。その結果、ウシ胚ではGCR,11β-HSD1および11β-HSD2 mRNAの発現していないことが明らかとなり、初期胚そのもののGC合成ならびにGCが初期胚の発生に関与する可能性は否定された。一方、ウシ卵管上皮細胞においてはGCR,11β-HSD1および11β-HSD2 mRNAの発現が認められ、GCは卵管上皮細胞への作用を介して着床前のウシ胚に作用する可能性が示された。また、胎仔栄養膜細胞由来のIFNτは卵管上皮細胞におけるGCの生理作用に影響を及ぼす可能性が考えられるが、この可能性の追求は来年度の研究課題として残された。 これらの成果は、2009年4月23-25日Krakow/Polandで開催される「ポーランド・フランス合同生殖内分泌学会」で発表する。
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Research Products
(1 results)