2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ胚発生能に及ぼすグルココルチコイドの影響とネコ子宮内膜の機能調節に関する研究
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08F08733
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奥田 潔 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIEMIENIUCH M. 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ウシ子宮内膜 / グルココルチコイド / 胚発生 / 卵管 / ネコ子宮内膜 / プロスタグランディン / 性ステロイドホルモン / サイトカイン |
Research Abstract |
これまでにウシにおいて活性型グルココルチコイドであるコルチゾル(GC)が子宮内膜機能を調節することで妊娠に重要な役割を果たす可能性が示されてきた。しかしながら、GCが直接胚に及ぼす影響ならびに卵管に及ぼす影響については明らかにされていない。そこでウシ胚発生能に関するグルココルチコイドの影響を調べるため、ウシ初期胚ならびに卵管におけるGC合成酵素である11β-HSDおよびグルココルチコイドレセプター(GCR)mRNA発現を調べた。11β-HSD,GCRともに胚には発現がみられなかったが、卵管において発現がみられたことから、ウシにおいてGCは胚に直接作用するのではなく、卵管上皮細胞への作用を介して着床前の胚に作用する可能性が示された。 また、ネコ子宮における機能調節機構を明らかにするために、ネコ子宮内膜における上皮および間質細胞の単離法を確立し、採取した細胞を用いてプロジェステロン(P4)および17β-エストラジオール(E2)がプロスタグランディン(PG)分泌ならびにPG合成酵素であるPTGS2 mRNA発現に及ぼす影響を調べた。上皮細胞においてE2単独またはP4との組み合わせ添加によりPGF2α分泌は刺激され、PGE2分泌はP4により刺激された。間質細胞ではE2およびP4ともにPG分泌に影響を及ぼさなかった。またE2およびP4ともに両細胞におけるPTGS2 mRNA発現に影響を及ぼさなかった。これらの結果から、性ステロイドホルモンは、子宮内膜におけるPG分泌に作用するが、この作用はPTGS2 mRNA発現変化を介したものではない可能性が示された。さらに同様の培養系を用い、TNFαおよびオキシトシン(OT)のPG分泌ならびにPG合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX2)発現への影響を検討した。その結果、他の動物種と同様にOTおよびTNFαはそれぞれ上皮細胞および間質細胞のPG分泌を刺激するがCOX2の発現には影響しないことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)