2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08753
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉見 俊哉 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DVORAK G.E. 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
|
Keywords | 南洋群島 / 戦争記憶 / 太平洋島嶼 / ミクロネシア / パラオ / マーシャル諸島 / 小笠原諸島 / 沖縄 |
Research Abstract |
本研究は、戦後の日本における「旧南洋群島」(ミクロネシアの日本委任統治領)の記憶をテーマにしたプロジェクトだった。主に、戦前・戦後の日本の大衆文化に出る「南洋」のイメージの調査をし、実際に終戦にミクロネシアの島々から引き揚げられた国内各地の場所にも行き、南洋群島に縁のある方の話を聞いたりしていた。当時の日本人の南洋の「島民」に対するイメージや偏見、「南への憧れ」などについてもたくさん把握できた。また、日本と縁あるミクロネシアの主な島(サイパン・パラオ・マーシャル諸島など)に直接行ってその島でも調査をしてきたし、日本国内の島(小笠原諸島・沖縄・奄美)でも調査をしたら、いわゆる「内地」の方との関係が明らかに分かった。日系のミクロネシア人はより日本人の親戚のことを知りたいという声もあれば、「日本時代がよかった」というふうに懐かしく思う方が多くいるにも関わらず、日本側では殆どその時代やその島自体を忘れているということが明らかに分かった。また、父島・母島、宮崎県、沖縄などでは、老化した引き揚げられた方が未だに「南洋踊り」などを踊っているのに、実際に島の方との交流がないようだ。本研究プロジェクトを土台に、これからうまく「群島国」日本と太平洋の島々を文化的・歴史的につなげていく努力が必要だという結論が出たし、今後もより深い研究をしつづけなければならないと思う。
|
Research Products
(3 results)