2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08758
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
田畑 満生 Teikyo University of Science & Technology, こども学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FLOOD Matthew James 帝京科学大学, こども学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 自発摂餌 / ニジマス / アマゴ / 混養 / 動物福祉 |
Research Abstract |
二年目の実験計画は、動物福祉五原則中の三原則に関係した実験である(原則(3)「痛み・損傷・病気からの解放」、原則(4)「異常行動からの解放」、原則(5)「恐怖、苦痛からの解放」)。原則(1)&(2)は昨年度に実施済みである。 本年度の初回実験では、小サイズのニジマス個体群に大サイズの個体を導入し、小個体群の自発摂餌の促進と個体間の攻撃回数を減弱させることを試みた。実験は、1)小個体7尾のみの水槽(3水槽)、2)小個体7尾に大個体1尾を加えた水槽(3水槽)で比較した。小個体群と大個体の体重は、それぞれ234.8±21.5g、665.3±68.4gであった。現在、データ解析中であるが、初期観察では、大個体が存在すると小個体群の自発摂餌を促進し、ヒレの損傷減少が助長される(原則(3))ことが分かった。また、個体間での攻撃回数減少も認められたことから、大個体の存在は小個体群の正常行動発現(原則(4))や攻撃に伴うストレス緩和効果(原則(5))があると考えられる。 二回目実験では、自発摂餌導入が容易なニジマスと困難なアマゴを用いた混養実験を行い、自発摂餌と動物福祉の両面の改善実験を行った。実験は、ニジマスのみ16尾3水槽(実験群I)、アマゴのみ16尾3水槽(実験群II)、そしてニジマスとアマゴが8尾ずつの3水槽(実験群III:混養群)で行った。ニジマスの初期体重は、15.9±2.4g,アマゴは14:9±2.8gであった。その結果、実験群I・IIIの自発摂餌はIIよりも有意に高いことから、ニジマスは自発摂餌導入困難なアマゴの空腹を解消することが分かった。一方、攻撃行動回数とヒレ損傷に関しては、3実験群間で有意差は認められなかった。一方、実験群Iには強力な優占魚が出現する水槽があったが、実験群IIIには認められないことから、混養は魚類の動物福祉においても効果が高い可能性(原則(4)、(5))が示唆された。
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Research Products
(1 results)