2008 Fiscal Year Annual Research Report
環形動物多毛類カンザシゴカイ科の日本と豪州における比較分類学と外来種の多様性
Project/Area Number |
08F08766
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西 栄二郎 Yokohama National University, 教育人間科学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUPRIYANOVA E. 国立大学法人横浜国立大学, 教育人間科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 外来種 / 多毛類 / 比較分類学 / 新種記載 / 日本初記録 / カンザシゴカイ / 生物多様性 / 系統分類学 |
Research Abstract |
東京湾奥の市川市新浜湖(汽水湖)とその沿岸から日本初記録の多毛類の1種を記録した。この種はカンザシゴカイ科カサネカンザシゴカイ属の1種でHydroides dianthusという北米や南米、地中海などの沿岸では比較的普通の種類であるが、太平洋では記録がなく、日本の太平洋岸のみに分布する外来種と考えられる。日本に産する良く知られた外来種としてカニヤドリカンザシとカサネカンザシがいる。両種ともに水産業に甚大な被害をもたらした汚損生物であるが、その起源がどこなのか、よくわかっていない。そこで日本産の標本を元に遺伝的な解析を行い、その起源が太平洋なのか、大西洋なのか、外来種の分散の経路に関する解析を行っている最中である。日本から外国に渡った外来種としてしられるエゾカサエンカンザシも、その起源は蝦夷(北海道)ではないと考え、本種の外来種としての起源と分散経路も解析途中である。太平洋の深海産多毛類の新種と思われる種の標本を検討し、電子顕微鏡観察を行い、形態による分類によって新種であることを確認した。また、遺伝的解析も行い、DNAによる解析結果でも新種であると考えられる。現在、記載論文を準備中である。本研究を推敲する過程で外来種の探索や新種発見に努めるとともに、国内外で見つかった新種記載も行った。ガラパゴスからの4新種の記載や台湾と沖縄からの2新種、伊豆半島沿岸でアマチュアダイバーによって発見された1新種などである。今後の研究の進展によって、深海からの5新種、沿岸からの10新種、沿岸からの5種の新たな外来種の発見を学術論文によって公表予定である。
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Research Products
(4 results)