2008 Fiscal Year Annual Research Report
光線力学療法と太陽エネルギー変換を目指した色素修飾ポリマーナノ微粒子
Project/Area Number |
08F08769
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今堀 博 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MATHEW Simon 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | ドラッグデリバリー / 光捕集 / 両親媒性 / ポルフィリン / 重合ミセル |
Research Abstract |
2008年度および2009年度前期の主な研究目的は、適切な両親媒性分子を合成して、ポルフィリン修飾され、かつコアで重合したミセルを形成することであった。予定通り、両親媒性分子の親水性および疎水性部位の合成には成功した。しかしながら、研究計画で提案した両親媒性部位を用いた合成は、競争反応が目的とする生成物の収率を著しく減少させるため有効でないことがわかった。そこで、より直接な合成経路に変更した。当初計画していた非イオン的両親媒性分子ではなく、イオン的両親媒性分子を用いたコア重合ミセルをまず形成した後に、光増感化合物および水溶性部位を導入する手法である。新計画ではより直接的に合成でき、またミセル形成後に色素を導入するため、当初の研究内容のうち一部の計画は不要となった。すなわち、臨界ミセル濃度(CMC)における超分子相互作用の解明や疎水性部位の最適化などである。新たな手法で探索すべき課題は多数に上るが、たとえば、新提案ナノ粒子の薬剤充填・放出過程の解析および光増感分子修飾後の性質解明などが考えられる。合成の困難さが進捗を妨げていた当初の計画と比較して、新たな戦略により当初の研究計画通り早期に、ポルフィリン修飾され、かつコアで重合したミセルを形成するという目標を達成できると考えられる。
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