2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08774
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前野 悦輝 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PEETS Darren Campbell 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ルテニウム酸化物 / ケイ化物 / スピン三重項超伝導 / 共晶 / 反転対称性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ルテニウム酸化物超伝導体の良質の共晶結晶を育成し、その超伝導特性を精密に方位制御した磁場中で測定することにより、超伝導転移温度増大のメカニズム等を明らかにしようとするものである。共晶系で増強された超伝導に、母体と同様のスピン三重項特有の現象が生じるのかどうかを明らかにすることを目指す。さらに、ルテニウム酸化物以外の超伝導体を用いての共晶結晶物質を開発し、その超伝導特性を同様に明らかにすることも重要な研究目的である。 ごく最近、シリコンを含む三元系化合物で興味深い超伝導体が発見された。反転対称を持だない結晶構造で超伝導が生じている可能性が高く、その場合はスピン三重項の成分を含む超伝導が実現する可能性がある。本研究の目的にも合致した研究対象であるので、研究遂行の緊急性に鑑み、本年度は純粋系と共晶系での比較研究も視野に入れて、それらの系の物質合成を進めた。その結果、このケイ化物の超伝導試料の合成に成功し、その超伝導特性を明らかにした。この成果は日本物理学会で発表した。共晶試料もできているが、この物質ではルテニウム酸化物とは異なり、今のところ超伝導性への特異な効果は観測していない。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 三元系遷移金属ケイ化物の超伝導特性2009
Author(s)
江口学, Darren Peets, Markus Kriener, 高津浩, 橘高俊一郎, 米澤進吾, 前野悦輝
Organizer
日本物理学会 第64回年次大会
Place of Presentation
立教大学、東京
Year and Date
2009-03-30