2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規炭素-炭素結合反応の開発および、その全合成への応用
Project/Area Number |
08F08777
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 透 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOLSHAN Yuri 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 全合成 / アルカロイド / 炭素炭素結合形成 |
Research Abstract |
本年度は主に、モルヒネの合成研究を行った。テトラヒドロイソキノリンを中間体と設定し、ヒドロキシフェネチルアミンと置換フェニルアセトアルデヒドとのPictet-Spengler反応を用いて中間体を合成することとした。原料となるヒドロキシフェネチルアミンは、市販のメチルエーテル体のメチル基を臭化水素酸を用いて除去することにより調製した。またイソバニリンを原料として用い置換フェニルアセトアルデヒドの合成法も検討した。Pictet-Spengler反応の条件検討は、市販のフェニルアセトアルデヒドを用いて行った。ベンズアルデヒドなどを基質として用いた際に通常用いられる酸性条件を種々検討した。弱酸から強酸まで様々な酸を用いたが、原料であるフェニルアセトアルデヒドの不安定性から、目的とする化合物を得ることが出来なかった。そこで更に詳細な文献検索を行ったところ、塩基性条件を用いることで同様の反応を行っている例を発見した。文献記載の条件に倣い反応を行ったところ、目的とした化合物を得ることが出来た。更に検討を行ったところ、ナトリウムエトキシドなど比較的単純な塩基を用いても反応が進行すること見出した。続いて得られたテトラヒドロイソキノリンのベンゼン環の酸化反応を検討した。ヨードベンゼンジアセテート、四酢酸鉛等を用いた酸化反応の条件を検討したが、望みの化合物を得るには至らなかった。今後更なる条件検討を行う予定である。
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