2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規炭素-炭素結合反応の開発および、その全合成への応用
Project/Area Number |
08F08777
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 透 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOISHAN Yuri 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 全合成 / アルカロイド / 炭素炭素結合形成 |
Research Abstract |
本年度はモルヒネの合成研究、特にフェノール性水酸基を足がかりとした酸素官能基導入の検討および炭素一炭素結合形成反応の検討を行った。すなわちフェノール性水酸基を有する化合物の酸化的な脱芳香化を行い、生じる不飽和ケトンに対して分子内で炭素求核基を反応させ、炭素炭素結合形成を行うことを試みた。現在までのところ目的とする反応の成功には至っていないが、効率的な原料合成法の開発を行いつつ、上記反応の検討を継続する。また平行してタベルソニンの合成研究を行った。タベルソニンは抗ガン剤として用いられているビンブラスチンの下部ユニットの合成原料となりうる重要な化合物である。擬対称な四級不斉炭素を有するユニットの合成が鍵となる逆合成を行い、まずラセミ体を用いた検討を行った。マロン酸ジエチルを塩基性条件下ブテニル化したのちマイケル付加反応を用いてアクリル酸エステルと反応させることで、3炭素ユニットの導入を行った。すべてのエステルの還元したのち、1,3-ジオール部位をベンジリデンアセタールとして保護した後、残る一級水酸基をシリル基にて保護した。ベンジリデンアセタール部位を、酸性条件下解裂させながら還元することでベンジルエーテルへと変換した。以上のようにして、3つの一級水酸基を区別することに成功し、所望の四級炭素不斉中心を有する化合物をラセミ体として得た。遊離した一級水酸基をアルデヒドへと酸化し、アセタールとして保護した。
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