2008 Fiscal Year Annual Research Report
電場作用下の電極/水界面反応過程の第一原理分子動力学解析
Project/Area Number |
08F08783
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅野 宜崇 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TOMBA Giulia 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 密度汎関数法 / 第一原理解析 / 分子動力学法 / 電極 / 溶媒界面 / 吸着分子 / 電場 |
Research Abstract |
電場作用下における電極-溶媒の界面の反応プロセスを原子・電子レベルから明らかにするため,白金表面への水分子吸着の動的過程について,密度汎関数法に基づく第一原理分子動力学解析を行うことが本研究の目的である.具体的には,外部電場のもとでの吸着水分子モノレイヤーにおける疎水-親水遷移の可能性を検討するとともに,モノレイヤーの水分子配位変化の溶媒中への伝播の様相,およびそれが電極表面での反応にどのように影響するかを検討することを目指している.本年度はまず,上記の解析を実現するための最新のコードを16および64ノードのクラスタ型並列計算機環境にセットアップおよびチューニングを行い,白金/水分子系の計算モデルの調整を行った.周期境界条件を課した6原子層からなるスラブを用いて白金表面モデルとし,表面に水分子1個を配置して,構造緩和計算を行った.複数のモデルについてテストを繰り返し,電場を作用させた条件に対しても再現性のある信頼性の高い結果が得られることを確認した.さらに,計算によって得られたゼロ電場中の白金電極表面上の水分子モノレイヤーの吸着構造を精査し,文献と比較を行った.吸着水分子と表面との角度について詳細に検討し,シミュレーションセルのサイズなどの計算条件がこれに及ぼす影響を現在検討中であり,次年度の外部電場作用下のシミュレーションに向けての準備を進めている.
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