2008 Fiscal Year Annual Research Report
老化と腫瘍形成におけるリン酸化反応に対するモータリンの役割
Project/Area Number |
08F08785
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
WADHWA Renu Tokyo Institute of Technology, セルエンジニアリング研究部門, 研究グループ長
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEUNG Caroline TY 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 外国人特別研究員
|
Keywords | Mortalin / 老化 / 癌 / 分子メカニズム / CARF |
Research Abstract |
我々はmortalinの制御、特に、主要な癌抑制機構として知られているp53経路の因子との相互作用について研究を行ない、mortalinとp53がミトコンドリアに共局在し、mortalinがp53の活性を阻害することによって細胞の増殖と腫瘍形成能に関与していることを発見した。さらに、過剰発現系を用いて、抗アポトーシスタンパク質であるBcl-2とBcl-x1がmortalinおよびp53の両方と相互作用し、p53を遊離させる結果、細胞の老化が起こることを明らかにした。これらのデータはBiochemical Journalに投稿中である。 また、p53のもう一つの経路を構成している、CARFの制御についても研究を行っている。以前、細胞内のCARFの量は細胞の生存に大きな影響を与えることを報告した。CARFの過剰発現によって細胞の老化が誘導される一方で、CARFのノックダウンはアポトーシスを引き起こす。そこで、CARFによる制御を詳細に明らかにするために、細胞内でCARFを様々なレベルで発現できるシステムを構築した。驚いたことに、CARFの老化あるいはアポトーシスを誘導する性質はp53、p21とは無関係であることを見出した。さらに、CARFを最大レベルで過剰発現させた場合には増殖アレストを引き起こし、より低いレベルの過剰発現においては細胞増殖率の増加が観察された。現在この結果について、論文の執筆・投稿準備中である。
|
Research Products
(3 results)