2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気顕微法による超伝導デープ線材の臨界電流ならび量子化磁束挙動の研究
Project/Area Number |
08F08795
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FUGER Rene 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 超伝導 / 臨界電流 / 量子化磁束 / 磁気顕微鏡 |
Research Abstract |
パルスレーザ蒸着法による希土類系高温超伝導テープ線材の成膜において、レーザ照射によって生ずるプルームの中に基板を配置することによって高密度欠陥を人為的に導入するin-plume法を用い、高密度の積層欠陥を人為的に制御した試料を準備し、欠陥導入による磁束ピン止め効果を調べた。プロセス条件と磁束ピン止め特性との相関を実験的に明らかとし、本成膜法が線材の磁場中実用性能を向上させる有効な手法であることを示した。本年度得られた主な成果は次の通りである。 (1)磁場中の電流輸送特性を四端子法により評価し、磁場の印加角度ならびにバイアス電流の方向に伴うヒストリー効果をもとに、磁束線間の弾性相互作用と磁束-ピン間の相互作用に関する競合の影響を詳細に調べた。本測定を、積層欠陥密度を制御した試料に対して適用することで、電力ケーブル等の応用上重要となるテープ面に対して平行な磁界下における磁束ピンニング特性の支配因子を明らかとした。 (2)SQUID磁化率計を用いた磁化の緩和特性を測定し、超低電界下における磁束クリープ特性を評価し、特に、超伝導層の膜厚ならびに磁場印加方向対する依存性を系統的に調べることによって、実用上重要となる永久電流モードにおける臨界電流特性と熱擾乱の影響を明らかとした。 (3)さらに、SQUID磁気顕微鏡により、孤立量子化磁束の挙動を計測し、磁束-ピン相互作用を評価することによって、上述した、マクロスケールでの磁化特性と要素的磁束ピン止め特性の関係を定量的に示した。
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Research Products
(5 results)