2009 Fiscal Year Annual Research Report
類鼻疽菌の宿主細胞感染に関与する宿主分子の同定と解析
Project/Area Number |
08F08799
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 潔 Osaka University, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BREITBACH Katrin 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 感染症 / 人獣感染症 / II型分泌装置 / 毒性因子 |
Research Abstract |
類鼻疽菌は、東南アジアやオーストラリア北部などの熱帯・亜熱帯地域で類鼻疽と呼ばれる感染症を引き起こすグラム陰性桿菌である。類鼻疽菌はIII型分泌装置を有しているが、感染症発症のメカニズムは不明である。本研究では、類鼻疽菌のIII型分泌装置により分泌される分子が会合する宿主分子を、酵母ツーハイブリッド法を用いて明らかにし、その感染成立、毒性発揮のメカニズムを解明することを目的とし解析した。類鼻疽菌のいくつかのIII型分泌装置に関わる遺伝子をベイトとして酵母ツーハイブリッドを行った。その結果、BopAをベイトとしたスクリーニングで、integrin-linked kinase(ILK)遺伝子を単離した。293細胞を用いた免疫沈降法の解析から、BopAとILKが宿主細胞内で会合することを確認した。また、両分子の種々の変異体を用いた解析から、ILKのキナーゼドメイン(193-452アミノ酸)とBopAのRho GTPase inactivation domain(RID)ドメインのC末端(300-326アミノ酸)が会合に必要なことが明らかになった。ILKはfocal adhesion(接着班)や細胞接着に深く関与していることが知られているので、HeLa細胞にBopAを発現させ、BopAの細胞内局在、細胞接着への影響を解析した。BopAを発現したHeLa細胞は、細胞蒔種後4時間までの培養皿への接着が有意に遅れていた。しかしながら、20時間後には、細胞はほぼ正常に接着していた。また、BopAは20時間後にはpaxilinやvinculinなどの接着班関連分子との共局在も見られなかった。 この結果から、BopAは、接着班や細胞接着などのILKに関与した機能には、あまり関与していないことが示唆された。
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Research Products
(4 results)