2008 Fiscal Year Annual Research Report
シュレーディンガー方程式の一般的な解法におけるアルゴリズムの開発
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08F08800
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Research Institution | Quantum Chemistry Research Institute |
Principal Investigator |
中辻 博 Quantum Chemistry Research Institute, 量子化学研究協会研究所, 研究所長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BANDE Annika 特定非営利活動法人量子化学研究協会, 量子化学研究協会研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | Schrodinger方程式の解 / FC法 / LSE法 / LiH / ポテンシャルカープ / 励起状態 |
Research Abstract |
Free Complement(FC)Local Schrodinger equation(LSE)法は、Schrodinger方程式を非常に精密に解くことがでさることが分かっている。本研究では、LSE法で用いるSampling法のため、よく知られているMetropolis法に代わり、少ないSampling数でも精密な解が得られるRational Sampling法を開発した。次に、FC LSE法をLiHの基底状態と励起状態の計算に適用し、一重項と三重項状態共に非常に精密なポテンシャルカーブ(PEC)を計算することができた。本計算では、対角化法の改良も同時に行い、PECに沿ったあらゆる点を安定にスムーズに計算することができた。本研究で最も注目した状態は、1s(2)2p(1)や1s(2)3s(1)状態に解離する励起状態である。特に、Diffuseな3s軌道の寄子を含めることで、れらの状態を特に3つ目の1s(2)3s(1)状態を精密に計算することができた。結合基底状態や第一励起状態の特徴的な分光学データを理論計算から評価するため、PECを用いた振動状態の解析を行った。PECを拡張Morse型関数にフィッティングし、Dunham法により振動状態のレベルを計算した。また、PECをGrid点で表し、核のSchrodinger方程式を直接対角化する方法も用いた。この方法により、特に興味深い一重項第一励起状態の振動準位が精密に求められた。また、PECの解離極限を調べるため、Li原子の基底状態、1s(2)2p(1)、1s(2)3s(1)の励起状態も計算した。これらの計算に対してもLiHと同様に、対称性や励起状態のDiffusenessを考慮した初期関数を用いることで、精密な解を得ることができた。我々の理論計算値は、質量分極項を考慮することで、実験データと良い一致を示した。
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