2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08810
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菱田 公一 Keio University, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JULIE LE Louvetel-Poilly 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 気液二相乱流 / 乱流変調 / 乱流エネルギ / 気泡流 / 気泡径 / ボイド率 / 粒子画像流速計 / 気泡形状・位置認識法 |
Research Abstract |
気液二相流は原子炉内や化学反応器等に応用されており,安全性向上や高効率化を図るためには流れのメカニズムを明らかにする必要があるため,多くの研究者が気泡介在に伴う乱流構造のモデル化の提案を行ってきた.例えば,Kataoka et al.(1995)や富山ら(1996)は計算技術の発展に伴い多くの数値計算モデルを考案し,高木ら(1995)やLoth et al.(1997)はせん断流中の気泡の変形や気泡同士の相互干渉,さらには気泡に働く揚力についてモデル化を行った.しかしながら,これらのモデルは限られた条件下では実際の現象を良好に予測する一方で,未だ物理的な裏付けに乏しい仮定が多く用いられている.このような現状をもたらす主たる要因は,気泡の界面が時々刻々と変化したりボイド率(液体中に混入する気体の割合)によって様々な流動様式を示したりするため,気泡周囲での乱流エネルギ散逸過程や局所ボイド率変化に伴う様々な時空間スケールの乱れが周囲乱流に及ぼす影響など,詳細な乱流構造変化のメカニズムの解明には至っていないことが挙げられる.本研究の最終目的は,気液二相流における普遍的な物理モデルを構築するため,世界に類を見ない検証データを実験的研究により提示することにある. そういった研究背景のもと,本年度は上昇流・下降流ともに計測可能な流路の改良および粒子画像流速計および気泡形状・気泡位置認識法を同期し,液相流速,気泡形状および気泡位置を同時計測するシステムを構築した.このシステムを用いて,上昇流および下降流の気泡介在時の時系列2次元速度データより,気泡間の距離および気泡径による気液二相流の流動構造変化を高時間分解能で評価した.上昇流および下降流の乱流構造変化の比較検討を行った実験的研究の報告例は未だ少なく,本研究の意義や重要性はこの点にある.これらの結果は,流体工学分野の実験的研究に関する権威ある国際学会である8th International Symposium on Particle Image Velocimetryにて次年度発表する予定である(LE Louvetel-Poilly et al.2009,Submitted).
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