2009 Fiscal Year Annual Research Report
高速度PIVシステムを用いた上昇及び下降気泡乱流中のエネルギカスケード機構の解明
Project/Area Number |
08F08810
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菱田 公一 Keio University, 理工学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LE Louvetel-Poilly Julie 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 気液二相乱流 / 粒子画像流速計 / エネルギカスケード / 乱流エネルギ / エネルギスペクトル / ボイド率 / 気泡径 / 気泡形状・位置認識法 |
Research Abstract |
気相と液相の混在した気液二相流は発電所の冷却系等や化学プラントの反応槽等に応用されており,これらの機器の安全性向上や高効率化のためには,気液二相流の流動構造を明らかにし,乱流構造のモデル化を行う必要がある.しかし,気液二相流の流動構造には流体-気泡間の運動量交換といった複雑な要素が含まれているため,流動構造の解明に向けて更なる知見が望まれている.気液二相流は上昇流と下降流の2種類に大きく分類することができるが,Wang et al.(1987)は上昇流と下降流では気泡の存在する領域(局所ボイド率)が異なり,流路内の乱流強度分布も異なるという結果を示している.しかし,上昇流と比べ,下降流に関しては十分な研究が行われているとは言い難く,特にエネルギスペクトルのようなスケール解析や,気泡介在により生じる乱流エネルギ輸送メカニズム(エネルギカスケード)の変調に関しては未だ未解明な点が多い.本研究の最終目的は,気液二相流の普遍的な物理モデル構築のため,上昇流と下降流双方の計測を行い,乱流中のスケール解析といった観点から定量的な検証データを導出することにある.上昇流および下降流の乱流構造変化の比較検討をスケール解析より行った報告例は未だ少なく,本研究の意義や重要性はこの点にある. 本年度は液相流速,気泡形状および気泡位置を同時計測するシステムを用いて.上昇流・下降流それぞれの時系列2次元速度データを計測し,気液二相流の流動構造変化を高時間分解能で評価した.Liu et al.(1994)によって提案された手法を応用し,シミュレーションで用いられているフィルタリングを実流動場に適用することで,気泡-流体間でのエネルギ輸送を定量的に評価した.今回提示された結果は世界でも類のない検証データであり,これらの結果は,流体工学分野の研究に関する権威ある学術誌であるExperimental in Fluidsに投稿中である
|
Research Products
(2 results)