2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08816
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 英一 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 連携研究体長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SULEIMAN Wael 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 最適化 / ロボット工学 / ヒューマノイド / システム同定 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度に基本アルゴリズムを構築した、倒立振子モデルに2次システムのモデルを適用した人間型ロボットのオンライン歩行パターン生成手法のコントローラを構築した。従来研究で用いられていた線形の倒立振子モデルに対して予見制御を適用する方法は、動的に安定な歩行生成に適しているが、実際のロボットとの質量分布の差異を、ダイナミクスを考慮した補償器により吸収する必要があった。そこで、このような補償を用いずに直接分布質量系を2次システムでモデル化し、動的に安定な2足歩行動作を導出することを目指す。昨年度構築した、非線形の2次システムに対して最適化手法を適用して目的軌道に追従する動的歩行動作をオフラインで導出する基本アルゴリズムを拡張し、オンラインで歩行動作を生成する手法を導出した。2次システム最適化の計算負荷を低減するため、現在の状態の近傍で2次システムを線形化することでこれを実現した。さらに、2次システムのサブシステムとして線形システムを構成し、2次システムとの誤差を制御により低減するオンライン動作生成システムも構築した。 また、最適化手法の別の適用例として、人間型ロボットの実行可能性を考慮したオンライン動作パターン生成についても研究を行った。入力された歩行経路が、ロボットの脚や足どうしの干渉のため実行不可能な場合があるが、事前にこれらをすべて指定することは難しい。そこで、これらの干渉回避を最適化問題の制約として考慮し、これを2足歩行の遊脚軌道など緩和可能な他の制約より優先して、高速な線形最適化手法に適用することで、オンラインで実行可能な歩行動作を生成する手法を構成した。 上記で構築した制御手法を、ヒューマノイドロボットプラットフォームHRP-2、人間の外観に近い形で設計されたヒューマノイドロボットHRP-4C上で安定して動作することを確認し、有効性を検証した。
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