2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08819
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山元 一 Keio University, 法務研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CORNELIA Vecchio 慶應義塾大学, 法務研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 政教分離 / 日本憲法 / フランス憲法 / イタリア憲法 / 日本国憲法の制定 / 比較憲法 / 戦後改革 / コンコルダート |
Research Abstract |
本年度は,フランスおよびイタリアとの比較における日本の政教分離原則の法理のうち,日本社会の文化人類学的検討を視野に入れた研究を進めた。すなわち,憲法関係だけでなく,日本文化関係図書や日本社会関係図書を購入し,文献調査を行った。その際,それが,日本の近代国家形成過程とどのように関連するかについて,留意しつつ検討を加えた。それに加えて,宗教問題に造詣の深い憲法学者等に対してインタヴューを実施して,宗教問題をめぐる学術的見解を明らかにした。本年度の後半においては,日本の宗教事情として著しく目を引く新興宗教をめぐる現象について,研究を進めた。また,宗教団体の政治的活動について,どのような考え方に基づいて行っているか(あるいは行っていないか)について,フランスやイタリアとの比較において,検証した。山元とヴェッキオは,上記論点について,討論を行った。さらに,日本では,政教分離問題について,2010年1月20日に最高裁判所が,いわゆる砂川空知太神社事件に関して,違憲判決を下したことを契機として,日本の最高裁による政教分離の法理についての理解の最近の展開についても,検討した。3月18日から20日の日程でフランス・リール第2大学で開かれた日仏シンポジウム「憲法学説」において,ヴェッキオは,「政教分離原則に直面する憲法学者と政府:比較法的検討」と題する報告を行い,本研究の成果の一端を明らかにし,質疑応答のなかで日仏の憲法学者と知見を交換した。
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Research Products
(1 results)