2010 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化に応じてのグリーンランドの氷床の急速で動的な変化のシミュレーション
Project/Area Number |
08F08821
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
R・G GREVE 北海道大学, 低温科学研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SEDDIK Hakime 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 氷床 / 氷河 / 氷流動 / 動力学 / 地球温暖化 / 海水準上昇 / グリーンランド / モデリング |
Research Abstract |
本研究では、フィンランドのCSC(IT Center for Science, Espoo)に所属するThomas Zwinger博士、およびフランスのLGGE(Laboratory of Glaciology and Environmental Geophysics in Grenoble)に所属するOlivier Gagliardini博士との協力により、無償で公開されている有限要素法ソフトウェアElmerを利用してストークス方程式を解くElmer/Iceをグリーンランド氷床に適用している。今年度は、重要な氷流と氷河(Jakobshavn氷流、North-East Greenland氷流、Kangerdlugssuaq氷河、およびHelheim氷河)を含む地域の空間分解能を大きく向上し、新しい有限要素メッシュを構築した。この新しいメッシュは大きな計算能力を必要とするため、Open MPI (Open Source High Performance Message Passing Interface Library)に基づいた並列化技術の導入も同時におこなわれた。平成20年度と21年度に既に行われた研究に基づき、SeaRISEコミュニティの取り組み("Sea-level Response to Ice Sheet Evolution"; http://oceans11.lanl.gov/trac/CISM/wiki/AssessmentGroup; http://websrv.cs.umt.edu/isis/index.php/SeaRISE_Assessment)により提供される標準シナリオを使用し、現在から今後100年間に渡るシミュレーションが実施された。比較として、浅層氷近似モデルSICOPOLISを用いて同じ実験が行われた。Elmer/Iceの感度は、氷力学シナリオ(2重底面すべりを想定)においてはSICOPOLISの感度より約3倍小さい一方で、Elmer/IceとSICOPOLISの両モデルの感度は、直接的な地球温暖化のシナリオにおいては大変類似していることがわかった。(主に、表面質量収支がより大きな負の値によって起こる氷床応答)これらの結果は、複数モデルの評価として活用されるべきことからSeaRISEのコーディネーターに提出した。
|
Research Products
(4 results)