2008 Fiscal Year Annual Research Report
最終氷期以前の高精度古海洋復元に関する海洋堆積物を用いた研究
Project/Area Number |
08F08826
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 祐典 The University of Tokyo, 海洋研究所, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OBROCHTA Stefen Phillip 東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 古海洋 / 氷期 / 堆積物 / 古気候 / 海洋循環 / 化学トレーサ / 堆積学 |
Research Abstract |
これまでに出版された論文や、海洋研究所に所蔵のサンプルのリストを整理し、本研究で目的としている氷床および水温データまた、海洋循環変動の復元に適した試料の選定を行った。古海洋変動については、復元のための地球科学的手段が多く存在する最終氷期についてはデータが多く存在し、高精度復元が行われているが、最終氷期より以前についての記録の精度については、疑問点が多い。今年度の研究により、統合国際深海プロジェクトによって採取された北大西洋の海洋堆積物が、酸素同位体比といった基礎的な情報をすでに公表してあり、かつ最終氷期以前の詳細な海洋循環の記録を保存している可能性が極めて高い事が判明したため、研究費を用いて、アメリカより試料の送付を行った。また対象としている期間については、放射性炭素を用いた海洋循環の直接的な復元が難しいため、新しいプロキシ(間接指標)をつかって復元する必要がある。文献を調査した結果、近年開発されつつあるネオジウムの同位体比を用いると、海洋循環を直接復元できるという結論に至った。ただ分析手法にはまだ開発を要する部分が多く、来年度の研究費を用いて、化学分析の開発を行うことを検討した。海洋研究所には、現在のネオジウムの同位体比を測定している研究者も在籍しているため、来年度の具体的な研究計画についてアドバイスを直接もらい、必要に応じて共同研究を行うということを、複数回の研究打ち合わせを行い、確認した。
|