2008 Fiscal Year Annual Research Report
持続的な開発と福祉に向けて:複合農業経営の新たな枠組み
Project/Area Number |
08F08829
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 幹康 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RARIEYA Marie Jocelyn 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 気候変動、脆弱性(climate vulnerability) / 持続可能な開発(sustainable development) / 複合農業(agrocomplexity) / 食糧安全保障(food security) / アフリカ(Africa) |
Research Abstract |
2007年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書に「アフリカは最も気候の変化と変動に脆弱な大陸の1つ」とある。近年頻発する洪水、干ばつは、食料生産、水の安全と質、健康、水力発電、暮らしに影響を及ぼし、持続可能な開発の達成には、生態系資源の持続的活用が欠かせない。本研究では、ケニアを例にアフリカの脆弱な地域の農業セクタにおける気候変動の影響および持続可能な開発に向けての課題の実証と分析、さらにその課題と複雑性を理解するための新しい概念的フレームワーク「複合農業」の潜在的寄与について考察する。 研究を進めるにあたり初年度は中山幹康教授の指導下、国内外の研究者と広く意見交換、情報収集を行い、共同研究の可能性を検討した。 3月にコペンハーゲンで開催された気候変動に関する国際科学会議に参加し、ポスターセッションで「アフリカの持続可能な開発に向けての課題、機会および政策的意義」について発表する。地元紙HDではアフリカの将来についてのコメントが紹介された。ウガンダ国立畜産資源研究所、オックスフォード大学、国連食糧農業機関、またEarthscan等報道・出版関係を含め、様々な分野からの参加者と意見交換し、アフリカ経済に及ぼす気候変動の影響に関する情報を収集した。 ケニアでの調査については、ナイロビを拠点とするTropical Soil Biology and Fertility Instituteに協力を要請し合意を得た。日本での調査については、横浜国立大学、北海道大学および国連大学高等研究所より助言を得る。サトヤマランドスケープに類似したケニアのカカメガ森林地区と日本のサトヤマとの比較研究については、持続可能な開発のための対応策への貢献が考えられるが、おそらく本研究の次のステップでの検討となる。さらに、他の大学、研究機関とも検討をすすめる。 3月には東京大学の国際学術誌Sustainability Scienceに論文を提出。また4月にボンで開催される会議で発表する論文の執筆をおこなった。
|
Research Products
(5 results)