2009 Fiscal Year Annual Research Report
hCRM1トランスジェニックラットを用いたHTLV-1関連疾患動物モデルの開発
Project/Area Number |
08J00012
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高柳 亮 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | HTLV-I / ATL / 制御性T細胞 / Foxp3 / CTLA-4 / 動物モデル |
Research Abstract |
制御性T細胞は転写因子であるFoxp3の発現を特徴とするT細胞の亜集団である。これらのT細胞は免疫抑制機能を有しており、免疫寛容の維持に機能している。近年、ヒトT細胞白血病(ATL)細胞において、制御性T細胞の関連分子であるFoxp3やCTLA-4の発現亢進が報告されており、病態との関わりが示唆されている。本研究ではHTLV-1感染ラット細胞株を用いて制御性T細胞関連分子の発現と免疫抑制機能との関連を検討した。IL-2依存性及び非依存性の増殖を示す9及び13種類のHTLV-1感染ラット細胞株を用いて、Foxp3の発現をRT-PCR法及びウエスタンブロット法により確認した。各細胞株の抑制機能を評価するため、CFSEラベルしたラット脾臓T細胞と共培養し、抗CD3抗体による増殖刺激後3日におけるCFSE強度をFACS解析により測定した。その結果、解析に用いた22細胞株のうちIL-2依存性及び非依存性それぞれ10細胞株においてFoxp3及びCTLA-4の発現を認めた。Foxp3発現はIL-2依存性の細胞株において非依存性の状態よりも高かった。Foxp3およびCTLA-4発現細胞株においてT細胞の増殖抑制機能が確認された。本研究により、制御性T細胞関連分子であるFoxp3及びCTLA-4発現とHTLV-1感染細胞株による免疫抑制機能との関連がラットモデルにおいても明らかにされた。このことはヒトとラットHTLV-1感染モデルの相同性を示唆するものと考えられる。本動物モデルは、生体内におけるATLの発症や病態とHTLV-I感染制御性T細胞の機能との関連の解析に有用であると考えられる。
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Research Products
(3 results)