2008 Fiscal Year Annual Research Report
hCRM1トランスジェニックラットを用いたHTLV-1関連疾患動物モデルの開発
Project/Area Number |
08J00012
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高柳 亮 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | HTLV-1 / Animal model / Transgenic rat / CRM1 / Oral infectior / Infectious method / Host immune response / Antibody reaction |
Research Abstract |
hCRM1 Tgラット由来のT細胞においては、Wt由来のものに比べ有意にGag産生か促進されていたにもかかわらず、ラット生体内でのHTLV-1増殖に対するhCRM1の効果は限定的であった。この原因の1つとしてHTLV-1特異的な宿主免疫反応の関与が考えられる。そこで我々はより宿主免疫反応の少ないと思われる感染実験系の確立を試みた。 これまでウイルスの感染はヒトHTLV-1感染細胞株であるMT-2を腹腔内に接種する事により行っていた。HTLV-1感染細胞(MT-2)の経口接種によるウイルス感染はMT-2の腹腔接種によるウイルス感染に比べて、免疫学的に寛容である事が報告されている。そこで私は、hCRM1 Tgラットに対してHTLV-1の経口感染を検討した。さらに、感染実験に用いる細胞をこれまで我々が樹立したTgラット由来のHTLV-1感染細胞株の中から培養上清中のウイルス産生量の高いFCCS13-1を選択した。hCRM1 Tgラットに対してFCCS13-1細胞株を経口で移入し、感染ラット血漿中のp19 GagをELISA法により測定し、生体内でのウイルスの増殖をWtラットと比較した結果、Tgラットの方が血漿中のp19量が高い傾向にあった。また、感染後6週までにHTLV-1特異的抗体の産生は見られなかった。 HTLV-1特異的抗体の産生か見られていない事からTgラットにおいても経口でHTLV-1感染細胞を移入する事により免疫反応がより軽度な感染実験系を構築できた。今後実験に用いるラットの数を増やし、さらに長期間観察する事によりhCRM1 Tgラットを用いたHTLV-1感染動物モデルとしての妥当性を検討できると思われる。
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Research Products
(1 results)