2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦後のアジア太平洋地域秩序の模索と中国-地域主義・冷戦・日本外交
Project/Area Number |
08J00025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田 凱 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 国際関係 / 地域主義 / 地域秩序 / 環太平洋連帯構想 / 冷戦 / 中国 / 日本外交 |
Research Abstract |
今年の研究費で、東京へ二回ほど出張し、関係者へのインタビューや大来佐武郎の関連資料の収集ができた。さらに、オーストラリアのキャンベラに留学し、現地にある国立図書館に毎日通い、アジア太平洋地域主義の推進における大きな役割を果たしたジョン・クロフォードの資料を読み、収集した。また、国立文書館に所蔵しているオーストラリア外交関連文書の中、私の研究に関連する史料を揃った。史料・資料を読み上げた上で、ジョン・クロフォードの同僚且弟子であるピーター・ドライスデール先生やオーストラリア外務省の元外交官のウィルソンさんにインタビューもでき、更に20人近くの国際政治、アジア歴史の専門家と意見交換ができ、研究に有益なアドバイスをいただいた。最後に、所属のアジア研究学部の日本センターセミナーで、半年の研究について発表し、多様なコメントと助言をいただいた。 また、オーストラリア国立大学で客員研究員の期間終了後にすぐ北京へ渡って、3週間ほど北京の中国科学院アジア太平洋研究所で訪問学者として滞在した。その間、中国の資料館や国家図書館の資料を収集できたと同時に、地域主義と国際秩序との関連の角度から論文を書きあげ、同研究所誌で有名な『当代亜太』にも投稿した。また、中国の著名な国際経済学者であり、かつての太平洋経済協力会議の中国代表を務めた張蘊嶺先生にもインタビューができた。さらに、中国の日本外交の第一人者の金煕徳先生や中国外交の第一人者の王逸舟先生と面談の機会をいただき、研究に関するアドバイスをいただいた。また、同じ時期に、博士論文事前審査のため、オーストラリア外交に関する一章を書き終わった。 今年2月日本に戻ってすぐ三人の先生から面接の機会をいただき、事前審査論文の報告をし、また指導先生からコメントと助言を考えながら、正式に論文の作成に取り込み始めた。3月に序章を再構成し、構想を再び修正したが、具体的な内容を書こうと思っているところである。一年間、日本学術振興会からの支援を受け、オーストラリアや中国へ渡ることができ、大変有益かつ充実な一年を過ごせたと思う。
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Research Products
(1 results)