2008 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー放射光X線を利用した水熱合成チタニアナノチューブの構造評価
Project/Area Number |
08J00032
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
久保 敬 Osaka Prefecture University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | SPring-8 / 放射光 / 高エネルギーX線回折 / HEXRD / 水熱プロセス / チタニア / チタネート / ナノチューブ |
Research Abstract |
市販のアナターゼ型チタニア粉末を10Mに調整した水酸化ナトリウム水溶液で所定条件で水熱処理することにより、ナノチューブ生成物を得た。このよう水熱合成チタニア系ナノチューブは、放射光施設SPring-8のBL04B2において、高エネルギーX線回折(HEXRD)測定を行った。測定に際して、比較標準試料に市販のアナターゼ型チタニア、ルチル型チタニア、層状チタネートNa_2Ti_3O_7を用いた。測定条件を最適化することにより、非常に精度の高い実験データを得ることができた。解析の結果、水熱合成チタニア系ナノチューブの構造は、アナターゼやルチルとは異なり、層状チタネートNa_2Ti_3O_7の構造に非常に類似しており、水熱プロセスにより合成されるナノチューブ生成物はチタネートを主構造に持つことが明らかとなった。 水熱プロセスにおける合成条件を制御することにより、ナノチューブの長尺化およびナノファイバー状生成物の合成に成功した。これら得られた生成物をSPring-8のBL04B2にてHEXRD測定を試みた。その結果、ナノチューブのサイズおよび形態に関わらず、その構造は層状チタネートNa_2Ti_3O_7に類似していることも併せて明らかとなった。また、X線吸収微細構造(XAFS)解析から、チューブ構造由来のスペクトルがX線吸収端構造(XANES)に現れることを見出した。 上記の結果をまとめ、日本セラミックス協会で学会発表し、学術論文に投稿中である。
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Research Products
(3 results)