2009 Fiscal Year Annual Research Report
フグをモデルとした魚類における脳視床下部での食欲調節機構の解明
Project/Area Number |
08J00050
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
村下 幸司 Fisheries Research Agency, 東北区水産研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 魚類 / 食欲 / レプチン / グレリン / AgRP / NPY / POMC / CART |
Research Abstract |
本研究は魚類における食欲調節機構を分子レベルで明らかにすることを目的とする。哺乳類では、肥満などの社会的関心の高さから食欲に関する研究が進んでおり、その分子メカニズムはかなり詳細に理解されてきている。しかし変温動物である魚類では、哺乳類とは異なる食欲調節機構を持つことが示唆されているものの、その多くが未解明なままである。動物にとって摂餌は生命維持に欠かせない極めて重要な本能行動であり、魚類増養殖事業においても効率的で安定した養殖魚の供給を確保するためには、食欲調節機構を的確に把握することが必要である。哺乳類では、胃から分泌されるグレリンや脂肪細胞から分泌されるレプチンが脳の食欲中枢へと体の状態を伝え、視床下部のニューロペプチドY、cocaine- and amphetamine-regulated transcript、アグチ関連タンパク(AgRP)および黒色素胞刺激ホルモン等のニューロンが食欲調節を決定づけている。魚類においてもこれらのペプチド群は食欲調節に重要な役割を持つことが示唆されているものの、複数の魚種で別々に単離されていることから、その相互作用の理解が進んでいない。そこで、1年度目はまず遺伝子情報データベース(フグゲノム情報やサケESTデータベース)を利用して食欲調節のキーペプチド群の内未同定のもの全てをフグとサケでそれぞれ同定した。昨年度においてはさらに産業的に重要な魚種へ対応するため、ホシガレイとクロソイのAgouti-family遺伝子を計4種ずつ(AgRP-1,AgRP-2,ASIP-1およびASIP-2)クローニングすることに成功した。また、上記遺伝子については各魚種でその配列だけでなく、遺伝子発現量測定系も確立しており、これら魚種における食欲関連ペプチドの特徴が明らかにされると共に遺伝子レベルでの解析が可能となった。
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Research Products
(8 results)