2008 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス結合の選択的強化・除去を制御する神経活動依存的機構とその分子基盤の解析
Project/Area Number |
08J00054
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上阪 直史 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ニューロン / 小脳 / プルキンエ細胞 / 組織培養 / 登上線維 / シナプス刈り込み / スクリーニング / イメージング |
Research Abstract |
本研究では、シナプスの選択的強化・除去のメカニズム解明を目指し、モデル系として、小脳の登上線維-プルキンエ細胞シナプスの生後発達に着目し、以下の研究を行っている。(1)登上線維シナプスの選択的強化・除去の過程に関与する多数の細胞、線維、シナプスがどのようにふるまいシナプスが強化・除去されるのかを明らかにする。(2)選択的強化・除去の神経活動依存性や(3)それに関わる分子メカニズムを明らかにする。これらの目的に関して、今年度は以下の研究を実施した。(1)すでに確立したin vitro組織培養系を用いて、複数の登上線維シナプスの強化・除去をリアルタイムで追跡する方法の確立を目指した。現在、2種類以上の蛍光タンパクをエレクトロポレーション法やウィルスベクターにより下オリーブ核細胞に導入することに成功し、登上線維の発達を2日間リアルタイムで追跡できている。また、より多くの登上線維を可視化する方法として、デレビモニターで使用されている三原色を用いた加法混色で様々な色を作るように、3色の蛍光タンパクの発現の組み合わせで、様々な色に個々の細胞を標識する方法を確立した。(2)すでに確立したin vitro組織培養下で、登上線維の活動・シナプス入力を操作し、登上線維シナプスの強化・除去を電気生理学的手法、形態学的手法および上記のイメージング法により解析する。現在、光照射により細胞を興奮させうる分子であるchannelrhodopsin2を小脳細胞に発現させ、光照射により細胞の活動を制御できることを確認した。(3)登上線維シナプスの強化・除去に関与する分子をスクリーニングするために、プルキンエ細胞特異的にGFPを発現するL7-GFPマウスの小脳プルキンエ細胞からRNAを抽出し、cDNAを作成し,発現プロファイルを明らかにした。
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Research Products
(1 results)