2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物による病原糸状菌細胞壁関連分子パターンの認識と防御応答機構の分子基盤
Project/Area Number |
08J00058
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 茂幸 Kyoto Prefectural University, 生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | オオムギ / サイレンシング / いもち病菌 / 基礎的抵抗性 / キチン受容体 / グルカン受容体 |
Research Abstract |
イネいもち病菌の罹病性宿主植物であるオオムギにおいて、Barley stripe mosaic virusを利用した遺伝子サイレンシング実験(VIGS)を行い、対象の遺伝子がssd1遺伝子破壊株の感染抑制に関わる因子であるかどうか評価した。 評価の対象とした遺伝子は、イネにおけるキチン受容体として同定されているCEBiP遺伝子のホモログ、およびヒトにおいてグルカン受容体として同定されているDectin-1遺伝子のホモログとし、それぞれをHvCEBiP、HvDec1とした。 HvCEBiPおよびHvDec1サイレンシング植物をVIGSにより一過的に作出し、これにイネいもち病菌ssd1破壊株を接種したところ、HvDec1に関しては非サイレンシング-サイレンシング植物間にて病徴の差が認められなかったが、HvCEBiPサイレンシング植物は非サイレンシング植物と比較し茶褐色斑点または典型的いもち病斑の形成頻度が上昇した。また、イネいもち病菌野生株も非サイレンシング植物と比較し、HvCEBiPサイレンシング植物に対し若干の病徴レベルの増加が見られた。 一方、HvCEBiPに対しHvDec1サイレンシング植物においては、非サイレンシング植物と比較しssd1破壊株の病徴に差は見られなかった。 以上より、推定グルカン受容体ではなくキチン受容体がイネいもち病菌に対する基礎的抵抗性に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)