2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 健 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 窒化物半導体 / 炭素混入 / 窒化ガリウム / 窒化炭素 / ガリウム外方拡散 / 高温熱処理 |
Research Abstract |
窒化ガリウム(GaN)は高い絶縁破壊電界と高い電子飽和速度を有しており、高効率電力変換デバイスや高速・高密度ワイヤレス情報通信用デバイスを実現する最適の材料である。しかし、GaN系デバイスプロセスでは、選択ドーピングに用いられるイオン注入法において、注入キャリアの活性化のためにGaNの結晶成長温度を超える高温の熱処理が必要とされる。このような高温の熱処理においては、ガリウムや窒素の脱離といったGaNの表面変性や、炭素や酸素といった意図しない不純物の混入が生じる可能性がある。特に炭素は、GaN中において両極性を有する不純物であり、高温熱処理によりGaN中へと混入した場合にどのような影響を及ぼすか不明である。本研究では、低損傷選択ドーピング技術への応用も視野に入れ、高温熱処理によりGaN中へと混入した炭素が与える影響について検討した。まず、GaN上に炭素源として窒化炭素(CN_x)、および保護膜として窒化シリコン(SiN_x)膜を電子サイクロトロン共鳴化学気相堆積法により連続的に堆積したSiN_x/CN_x/GaN構造を形成し、その後窒素雰囲気中において1000℃で2時間の熱処理を行ない、最後にフッ酸処理および窒素プラズマ処理によりSiN_x/CN_xを除去した。X線光電子分光法および2次イオン質量分析法の結果から、本研究で用いたプロセスにより炭素がGaN中へと混入していること、高温熱処理によりGaN中からガリウムが外方拡散していること、および混入した炭素がC-N結合を形成している可能性を確認した。また、ショットキーダイオードを作製し、その電流-電圧特性を検討した結果、混入した炭素がGaN中で浅いドナーとして振る舞い、ショットキーポテンシャルを薄層化させることで電子トンネリングによる電流リークの原因となることが確認できた。
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Research Products
(5 results)