2008 Fiscal Year Annual Research Report
リポフスチンの網膜色素上皮細胞及び脈絡膜新生血管に及ぼす影響
Project/Area Number |
08J00167
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入山 彩 The University of Tokyo, 医学部付属病院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | AMD / リポフスチン / A2E / レチノイン酸受容体 / 血管新生 |
Research Abstract |
本研究は加齢黄斑変成(AMD)に伴う脈絡膜新生血管(CNV)の発生riskの増加に関与していると報告されているリポフスチンの構成成分の一つであるA2Eのin vitro、in vivoにおけるレチノイン酸受容体(RAR)への作用の解明、またCNV発生における作用の解析を試みたものであり、下記の結果を得ている。 1.A2Eの核内受容体に対する作用検討 Hec293T細胞を用いルシフェラーゼアッセイを用い各種核内受容体および転写因子の活性化に対するA2Eの影響を検討した。その結果、A2EがRARの転写活性を濃度依存性に活性化することを明らかにした。 2.A2Eによる血管新生因子の発現制御 ヒトRPE細胞株のARPE19細胞を用いA2Eを負荷し血管新生因子の発現をELISA,RT-PCR法を用い検討した結果、A2EがmRNA及び蛋白レベルでVEGFの発現の増強作用を有することを明らかとした。このことによりA2EはARPE19細胞においてRARaを介しVEGFの発現を上昇させている事が明らかになった。 3.動物モデルでのA2Eの新生血管(CNV)への関与メカニズムの解明 In vivoではBrown Norwayラット網膜下にA2Eを注入しchoroid/RPE伸展標本を作成したところ、RPEの形は不整となり、個数の減少を認めた。さらに、A2E網膜下注入眼においてRT-PCR法でVEGFのRPEと脈絡膜での発現の増加を認めた 以上本論文をまとめるとA2Eが蓄積する事によりRPE細胞内でRARの転写活性が構成的に上昇し、またVEGFといった血管新生促進因子の発現上昇が持続する事が明らかになった。
|
Research Products
(2 results)