2008 Fiscal Year Annual Research Report
キラル自己識別集合による光合成アンテナモデルの構築
Project/Area Number |
08J00173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 千尋 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポルフィリン / トリアゾール / 自己集合 / アンテナモデル |
Research Abstract |
側鎖に配位性の置換基を持つ亜鉛ポルフィリンは自己集合により規則正しく配列した集合体を構築することができ、超分子的、光化学的な観点から興昧が持たれる。配位性の置換基の導入はしばしば困難であるが、申請者は側鎖の環化反応を用いることで効果的に導入できることを見出している、メゾ-メゾ結合ポルフィリンはポルフィリンのメゾ位同士が直接結合した多量体であり、隣り合うポルフィリン同士は距離が近く、電子的に強く結合しているため効率的な励起エネルギー移動を示す,,申請者はトリアゾール環を導入したメゾ-メゾ結合ポルフィリン二量体、三量体を合成した。これらが自己集合によりそれぞれ環状四量体及び十二量体を形成することを、NMR、吸収スペクトル、GPC保持時間、及びX線小角散乱より確認した。いずれも隣接するポルフィリン同士がメゾ-メゾ結合、対面型の配位結合のみからなるため、電子的に強く結合していることが期待でき、実際にクロロホルム中の吸収スペクトルにおいて励起子結合による大きな変化が見られた。さらに韓国キム教授との共同研究により、過度吸収の減衰から励起エネルギーのホッピングがユニット間でそれぞれ1.5ピコ秒、8.8ピコ秒で起こっていることを見出した。エネルギー移動の速度が距離の6乗に反比例することを考えるとこの値はこれまでに報告されたメゾ-メゾ結合ポルフィリン集合体よりも速く、遷移双曲子モーメントの大きさと向きによるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)