2008 Fiscal Year Annual Research Report
15世紀トスカーナのステンドグラス制作における芸術家間の共同作業
Project/Area Number |
08J00183
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 拓真 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 美術史 / イタリア / ステンドグラス / ルネサンス美術 / ペルジーノ |
Research Abstract |
平成20年度においては、15世紀の後半にフィレンツェで活躍したステンドグラス師集団、ジェズアーティ会修道士工房について、写真資料、及び先行研究の成果を活用し、ペルジーノらに代表される同時代のフィレンツェ絵画との関連を分析する作業を行った。その結果、ジェズアーティ会修道士工房の作品一覧を確定し、ステンドグラス師工房内における素描の再利用の問題に関して、新知見を得るにいたった。 この研究の成果は、2008年美術史学会全国大会(於東京大学)での口頭発表され、その後、学会誌『美術史』(2009年3月発行)に「『ペルジーノ風』ステンドグラス」として掲載された。 2008年8月31日から9月26日にかけては、フィレンツェ(イタリア)に滞在し、フィレンツェおよび、ピサ、グロッセートにおいて、ステンドグラス作品の実見調査・写真撮影を行った。また、この滞在中には、在フィレンツェ、マックス・プランク美術史研究所の図書館、写真館を利用し、文献収集、写真資料の閲覧を行った。 これらの調査で収集した資料を用いて、平成20年度中には、15世紀後半のフィレンツェで活躍したステンドグラス師、アレッサンドロ・アゴランティに関する調査を進め、ドメニコ・ギルランダイオとの関係を分析した。またその過程で、アゴランティの作品一覧の確定作業を行った。
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