2008 Fiscal Year Annual Research Report
アスパラギン酸キナーゼの活性調節メカニズムに関する構造生物学的研究
Project/Area Number |
08J00261
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 彩子 The University of Tokyo, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アスパラギン酸キナーゼ / リジン生合成 / フィードバック阻害 / 活性調節機構 / Corynebacterium glutamicum |
Research Abstract |
アミノ酸発酵菌であるCorynebacterium glutamicum由来のアスパラギン酸キナーゼ(AK)のα_2β_2へテロテトラマー型での結晶化に成功し、これまで私が決定したβサブユニットの結晶構造、および報告されているMethanococcus jannaschii由来AKの触媒ドメインの構造をモデルにした分子置換法により、2.5Å分解能で構造決定した。結晶構造中には阻害剤であるリジンおよびスレオニンが結合しており、活性中心を構成するアミノ酸残基が触媒に適した位置にないことから、この構造が不活性型を示しており、リジン、スレオニンによるシグナルが活性中心構造を不活性型に変化させるというアロステリックモデルを証明することができた。 触媒ドメイン内にランダム変異を導入し、リジンアナログであるAEC(2-アミノエチルシステイン)を用いたフィードバック阻害耐性変異対をスクリーニングにより取得した。その結果触媒ドメインと活性調節ドメインの接触面に存在するアミノ酸残基が阻害剤結合シグナルを活性中心へと伝達する役割を担っていることを示すことができた。
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