2009 Fiscal Year Annual Research Report
高速重イオンによる絶縁体微細加工及び表面プラズモン共鳴を利用した光学素子開発
Project/Area Number |
08J00269
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野村 健一 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 高速重イオン照射 / 熱スパイクモデル / 金ナノ粒子 / 局在表面プラズモン共鳴 / 導波モードセンサ / 金属微細構造 / 銀ナノ粒子 / コーティング |
Research Abstract |
1.シリカガラスへの高速重イオン照射およびフッ化水素酸蒸気によるエッチングでナノ孔を形成し、さらに、その孔内に、局在表面プラズモン共鳴による種々の応用が期待される金ナノ粒子を充填した斬新な構造体を作製した。その際、熱スパイクモデルに基づいた計算によって、細孔形成に最適なイオン照射条件を求めた。計算の結果、イオン照射により融点以上となる領域の径と、実際にエッチングで形成されるナノ孔の径との間に強い相関があると分かった。この結果から、金ナノ粒子の充填のために孔の径を最大にできる条件を見出すことができた(査読付論文掲載済)。また本計算によれば、これまで定性的にしか説明できなかった、イオンの加速エネルギーの増加に伴いナノ孔の径が複雑に変化する現象も定量的に説明できることを見出した(国内学会にて発表済)。 2.上記研究の派生として、近接場光利用デバイスとしての導波モードセンサの反射スペクトルにおいて、導波モード励起に伴う反射率のディップのシフト方向が、センサ表面に付着された金が薄膜状の場合とナノ粒子状の場合で逆方向となることを見出した。さらに、この理由が金吸着領域の実効複素屈折率が金の形状に大きく依存するためと見出した。すなわち、原理的には本センサにより金属微細構造の形状判別が可能であり、斬新な応用を切り開いたと言える(国際会議、国内学会にて発表済。査読付論文にも本内容を投稿準備中)。また、さらなる高感度化が可能な新構造を発案し、特許出願も行った。 3.局在表面プラズモン共鳴による近紫外光の増感が期待される銀ナノ粒子の周囲に、薄膜シリカ保護コーティングを行った。コーティングに必要なシランカップリング剤などの滴下条件について詳細な調査を行い、銀ナノ粒子の凝集を防ぎつつシリカをコートするための種々の条件をまとめた(査読付論文に掲載済)。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
[Presentation] Detection of Nanomaterials Using Color-sensitive Waveguide Mode2010
Author(s)
Makoto Fujimaki, Ken-ichi Nomura, Kazuki Sato, Takafumi Kato, Subash C.B.Gopinath, Xiaomin Wang, Koichi Awazu, Yoshimichi Ohki
Organizer
The Pittsburgh Conference on Analytical Chemistry and Applied Spectroscopy(PITTCON 2010)
Place of Presentation
Orange County Convention Center, Orlando, FL, USA
Year and Date
2010-03-04
-
-
-
-
-
-
-