2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦後国際秩序とフランス外交の選択肢:日仏関係の事例
Project/Area Number |
08J00271
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 雄一郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際政治史 / フランス外交史 / 日本:フランス / 政治学 / 歴史学 |
Research Abstract |
平成22年度の研究実績として以下のものを挙げることができる。(1)は史料収集に関する項目であり、(2)は論文執筆や報告など研究のアウトプットに関する項目である。 (1)史料収集に関しては大きな成果があった。これまではフランスの首都であるパリ、あるいはその郊外にある外務、経済、国防(軍)関係の史料館を中心に収集活動を行っていたが、平成22年度は地方にも足を延ばし、ル・アーヴルにある企業の史料やメッスにあるフランスの政治家ロベール・シューマンの史料を見に行った。シューマンはフランス第4共和制期の外交を代表する人物であり、その足跡をたどることは極めて有意義な研究活動であった。また、企業の史料は政府レベル以外の視点を研究に盛り込む契機となり、研究全体に新鮮味を付与することとなった。 (2)研究のアウトプットに関しては第1に「欧州統合の父」ジャン・モネに関するものがある。平成22年12月、「モネと中国」というテーマに関し、パリ郊外のモネの住処を記念館に改造した場所で開催された学術シンポジウムに招聘され、フランス語で報告し、その内容は論文集のなかの一つとして出版予定である。なお、既に原稿は提出済みであり、後は出版を待つのみである。アウトプットの第2は「フランス国際関係史『学派』と理論をめぐる問題」という論文を『法学研究(慶應義塾大学)』第84巻第1号(2011年1月)に掲載したことである。本論文は研究代表者のこれまでの実証的な史的研究の理論的背景を明らかにした初めての試みである。政治学と歴史学との間に横たわる緊張関係を「フランス」をとおして考えた研究でもある。
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Research Products
(2 results)