2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性アレルギー疾患における好塩基球の解析とその応用
Project/Area Number |
08J00280
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
向井 香織 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アレルギー |
Research Abstract |
今年度は、好塩基球が炎症反応においてどのような役割を担っているかを検討した。 好塩基球とIgEによって引き起こされる慢性アレルギー性炎症において、好塩基球が炎症を惹起するだけでなく、その終焉にも重要な役割を果たすことが見出された。好塩基球により、炎症の終焉プログラムがどのように開始するかについて検討を行ったところ、好塩基球がAlternative activated macrophage(AAM)と呼ばれるマクロファージを誘導させることにより、炎症細胞を炎症部位から除去させることが示唆された。これまで広く知られていたClassical activated macrophage(CAM)が細胞内寄生菌やツベルクリン反応に重要であると言われていたのに対し、AAMの存在は、アレルギー性炎症反応や、寄生虫感染時に出現することが知られていたが、その機能、生体内における役割については不明であった。今回、AAMが好塩基球由来のサイトカイン依存的に誘導されること、またそのAAMが炎症部位に最初に浸潤する好中球にアポトーシスを誘導させることにより炎症部位からの除去に貢献していることが見出された。このことは野塩基球に炎症の誘導、終焉を調飾するregulatorとしての役割があることを示唆している。今後、さらなるAAAMの役割を解析することにより、他の炎症反応や、寄生虫感染におけるAAMと好塩基球との役割を解析していく必要がある。
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Research Products
(8 results)