2009 Fiscal Year Annual Research Report
慢性アレルギー疾患における好塩基球の解析とその応用
Project/Area Number |
08J00280
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
向井 香織 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アレルギー |
Research Abstract |
好塩基球は抹消血白血球の約0.5%を占める顆粒球の一つである。その数の少なさ、研究ツールの不足から好塩基球の研究は遅れていた。 一方、好塩基球が炎症部位に浸潤している像はしばしば認められるが、その役割、意義についての詳細はまだ明らかとなっていない。申請者らは好塩基球がアレルギー性炎症の誘導に重要であることをこれまでに明らかにした。しかしその他の好塩基球の役割はあまりまだわかっていない。特に炎症を制御(抑制)する役割についてはまだほとんどわかっていないことから今年度はその詳細なメカニズムについて検討した。昨年までに筆者らは好塩基球がある種のマクロファージ(Alternatively activated macrophages)を誘導すること、またこのマクロファージが存在しない場合には炎症がより強く、持続することを発見した。 そこで今年度は特に好塩基球が抗炎症性であるマクロファージを誘導することにより炎症の終焉へ寄与するメカニズムに注目して研究を行い、このマクロファージが炎症部位の好中球にアポトーシスを誘導することを見いだした。このアポトーシスはカスパーゼに依存性であり、膜型TNFに一部依存していることが明らかとなった。現在アポトーシスをターゲットとした治療法への応用をin vivoレベルで阻害剤等を用い検討している。今後さらなメカニズムを調べることにより治療への応用を考える必要がある。
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Research Products
(2 results)