2009 Fiscal Year Annual Research Report
気泡噴流を用いた工場排水処理および閉鎖性水域における環境修復技術の開発
Project/Area Number |
08J00341
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤川 俊秀 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Gas injection / Bubbling jet / Lifted-up particles / Solid-gas-liquid three-phase flow / Wastewater Treatment / Contaminated sediment / Tornado-like flow |
Research Abstract |
材料プロセス反応浴内におけるガス吹込み操作は,おもに化学反応や物質移動の促進を目的として用いられている.この操作は気泡のガスリフト効果を利用し,浴内に上下方向の液体の運動を発生させる攪拌法である.鉄鋼精錬プロセス分野では,高温溶融金属の攪拌や不純物の除去などを目的として古くから使用されており,吹込み方法には用途に応じて多様な形態が取られている. ガス吹込み操作を円筒浴内で行うと,円筒容器内の液体はある特定の条件下で,容器の中心軸周りに旋回を始める.このとき液体中には中心部では上昇流が,容器底部では容器の中心へ向かう周方向の流れが生じる.円筒容器の底部に堆積物があると,堆積粒子表層の粒子群は容器中心軸の周りを回転しながら容器内底部中央に集められる.容器中心付近では液体の強い上昇流により,粒子群がこの上昇流に巻き込まれて旋回しつつ上昇し,やがて液体表面に到達した後に容器内全体に分散する. 気泡噴流による円筒容器内液体の旋回現象は,容器底板が無い場合でも発生する.申請者らは,J字型ランスによる底板の無い円筒容器内の旋回現象に着目し,閉鎖性水域における環境修復技術の開発を検討している.すなわち底板の無い円筒を船底に取り付け,円筒容器内で気泡噴流を発生させると,設定された流体力学的条件下で水底の堆積物を浮上させることができる.さらに,気泡内に微量のオゾンを混入しておくと,堆積物に含まれる有機物を分解することができる. 本年度は,J字型ランスからのガス吹込みによる円筒容器内旋回気泡噴流の攪拌の強弱を,粒子巻き上がりの面から明確にした.また粒子の巻き上がり体積に対する整理法を提案し,粒子の巻き上がりには,浴表面で生じる波の運動の振幅と,浴表面における旋回気泡噴流中心の半径方向変位が重要な役割を演じていることを示した.
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