2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域特性を考慮した移動制約者に対する交通施策の効果的な実施方法に関する研究
Project/Area Number |
08J00350
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八丸 久美子 (谷内 久美子) Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 地域公共交通 / 福祉交通 / 住民主体型バス / ソーシャル・キャピタル / 移動能力 |
Research Abstract |
本研究では、移動制約者に対するモビリティの確保を目的とした住民主体型交通施策の普及を目指して、以下の三点に関して分析した。 (1)ソーシャル・キャピタル指標群を含めた都市の状況を示す指標の検討 ・ソーシャル・キャピタルを表す指標群に関しては、既往の研究及び地域住民を対象としたヒアリング調査やワークショップ内での発言内容をもとに指標群を検討した。 ・既往研究のレビューにおいては、論文集および都市計画学会、土木計画学研究発表会より情報収集を行った。 (2)住民主体型交通施策を実施できる地域の特徴の把握 ・兵庫県佐用町江川地域をフィールドとして、住民アンケート調査を行い、個人の移動能力、住民主体型バスに対する賛否意識、ソーシャル・キャピタルを把握した。 ・交通施策への賛否に関与が強い項目を分析し、施策が実施可能な地域の特徴を把握する。住民主体型バスに対する賛否とバスの負担金への支払意志を外的基準、説明変数として個人属性、ソーシャル・キャピタル関連項目とし、数量化II類を実施した。 ・分析の結果、ソーシャル・キャピタルを構成要素のうち、近所づきあいや信頼感、援助規範といった要素は住民が主体となった交通への賛同意識に影響を与えているが、社会参加の状況は影響が小さいことが明らかになった。 (3)ソーシャル・キャピタルの醸成方法の検討 ・ソーシャル・キャピタルを醸成する一つの方法として、専門家が地域に関わり住民主体型交通計画を作成する。これにより、ソーシャル・キャピタルが醸成できたのかを今後検証する。
|
Research Products
(5 results)