2010 Fiscal Year Annual Research Report
格子量子色力学に基づくクォーク・ハドロンの非摂動的現象の研究
Project/Area Number |
08J00363
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 新 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子色力学 / 格子量子色力学 / クォーク / ハドロン |
Research Abstract |
本年度は以下の4つの研究を行った。 1.カラーの閉じ込め現象におけるフラックスチューブの研究 格子量子色力学を用いて、「クォークの閉じ込め」を担うフラックスチューブの構造を定量的に解析し、その形状を視覚的に示した。特に、グルーオン分布の中からクォークの閉じ込めにとって本質的な成分のみを取り出すことによって、純粋なフラックスチューブを取り出すことに成功した。 2.格子量子色力学を用いたディラックスペクトルの研究 グルーオンの中の特定の成分が、どのようにディラックスペクトルに影響を与えているかを、格子量子色力学を用いて解析した。 3.ヤン-ミルズ方程式におけるカオス現象の研究 古典ヤン-ミルズ方程式の数値シミュレーションを行い、カオス的時間発展とエントロピー生成率を求めた。さらに、クォーク・グルーオンプラズマの平衡化に必要な時間を議論した。計算の結果、ランダムな磁場の初期条件では、平衡化に必要な時間は2-3fm/c程度と見積もられた。 4.4次元時空における3次元フェルミオン系の研究 3次元フェルミオン膜が存在する場合の4次元非可換ゲージ理論を、格子量子色力学を用いて解析した。解析の結果、閉じ込めと非閉じ込めの両方が存在する、空間的に非一様な相が現れることを示した。
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Research Products
(10 results)