2009 Fiscal Year Annual Research Report
格子量子色力学に基づくクォーク・ハドロンの非摂動的現象の研究
Project/Area Number |
08J00363
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 新 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子色力学 / 格子量子色力学 / クォーク / ハドロン |
Research Abstract |
本年度は以下の4つの研究を行った。 1.カイラル対称性の自発的破れを引き起こすグルーオンのエネルギー領域の研究 量子色力学の非摂動的効果によって引き起こされている「カイラル対称性の破れ」は、ハドロンの性質に様々な影響を与えており、量子色力学における重要な現象の一つである。本研究では、このカイラル対称性の自発的破れを引き起こしているグルーオンが、どのエネルギー領域にあるかを格子量子色力学を用いて定量的に明らかにした。 2.カラーの閉じ込め現象におけるフラックスチューブの研究 格子量子色力学を用いて、「クォークの閉じ込め」を担うフラックスチューブの構造を定量的に解析し、その形状を視覚的に示した。特に、グルーオン分布の中からクォークの閉じ込めにとって本質的な成分のみを取り出すことによって、純粋なフラックスチューブを取り出すことに成功した。 3.一般化されたランダウ-クーロンゲージにおける伝播関数の研究 量子色力学における基本量の一つであるグルーオンとクォークの伝播関数を、一般化されたランダウ-クーロンゲージのもとで、格子量子色力学を用いて詳細に調べた。 4.ヤン-ミルズ方程式におけるカオス現象の研究 古典的ヤン-ミルズ系の時間発展を調べることで、ヤン-ミルズ方程式の非線形性が引き起こすカオス的な振る舞いを研究した。
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Research Products
(8 results)