2008 Fiscal Year Annual Research Report
アドホック無線通信機器を利用した位置トレース推定手法とその応用に関する研究
Project/Area Number |
08J00378
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 彩恵 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 無線ネットワーク / モバイルアドオックネットワーク / 移動軌跡推定 / 位置推定 / レンジフリー / 位置トレース / 遭遇情報 / 通信履歴情報 |
Research Abstract |
ユビキタス社会において,位置情報や位置情報を収集して得られる移動軌跡情報の様々なサービスへの活用が期待されている.現在,測位方式としてGPS(Global Positioning System)が広く利用されているが,屋内や地下街などでは推定誤差が大きく利用できない.よって,ユビキタス社会の実現に向けて,どのような環境下でも位置や移動軌跡を正確に取得できる技術が重要である.本研究では,数万人規模の大多数の歩行者や車両などの位置トレース(移動軌跡)を高精度かつ効率よく収集し,得られた位置トレースを活用した次世代ユビキタスシステムの実現への技術向上への貢献を目標とする.本年度は,屋内や障害物の存在する都市環境において,移動端末の位置トレースを高精度かつ低コストに推定するためのアーキテクチャの設計と推定アルゴリズムの設計を行った.低コストで実現するために,少数のランドマーク(正確な位置情報を配信する端末)とノード(アドホック通信機能機器を保持する端末)間の通信履歴情報(遭遇情報)のみを利用して高精度に移動軌跡を導出する.ノード間の遭遇情報から,遭遇時刻においてノード間の距離が無線距離以下であるという制約(遭遇制約)が得られる.提案手法では,はじめに高精度な推定が容易なノードを特定し,そのノードの推定位置を基準として,すべての遭遇制約を満たすように位置トレースを推定することにより高精度名推定を実現する.無線ネットワークシミュレータMobiREAL(http://www.mobireal.net)を用いたシミュレーション評価により,提案手法を既存の位置推定手法と比較した結果,位置推定誤差が改善されたことが分かった.また,都市環境における歩行者モデルや密度を再現した現実に近い環境においても,提案手法により位置推定誤差が数m程度の位置トレースを導出できることが確認された.
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Research Products
(5 results)