2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00381
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松浦 峻 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 統計的品質管理 / 選択組立 / 選択勘合 / 工程管理 / 分散減少 / 数学的最適化 / 層別法 |
Research Abstract |
選択的組立法は寸法のばらつきが大きい部品から高精度な組立品を得るために用いられている.まず各部品はそれぞれその寸法に応じていくつかのクラスに分けられる.そして各部品を対応するクラス同士から取り出して組み合わせることで高品質な組立品を得ることができる.この手法はピストンとシリンダーの組立など主に自動車エンジンの構成要素の組立に用いられている.本研究は現場の意見を聞きながら,選択的組立法において生じる統計学的または数学的問題を解明することを目的としている,重要な課題の一つとして,組み合わせる部品の寸法が従う確率分布に応じてどのようにクラス分けの基準を決定するべきか,というものがある.各クラスが等しい幅を持つように寸法分布を分割する等幅分割法が従来より用いられているが,これはなんらかの規準で最適性を保証するものではない.当年度において,組立品の品質特性の分散を最小化する分割法の求め方を測定誤差が存在する場合,および許容誤差が与えられている場合のそれぞれについて明らかにした.また,もう一つの重要な問題として,現場においては組み合わせる部品の寸法のばらつきが異なる場合が少なくないことがあげられる.このとき,ばらつきが小さい方の部品を異なる2種類の工程平均で製造しそれらを混合することで,あえて寸法のばらつきを大きくして,もともとばらつきの大きい部品とのマッチングを良くする,という方法が従来より提案されている.当年度において,品質特性の分散を最小にする工程平均の求め方を明らかにした.これらの成果は全て査読付きの学術雑誌に掲載済または掲載決定済である.今後も理論的(統計学的または数学的)な裏付けを与えながら,実際の現場で役立つような手法を提案していくことを目指している.
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