2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ゲルマニウムデバイスの実現に向けたゲートスタック技術の研究
Project/Area Number |
08J00433
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朽木 克博 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Ge-MOS / ゲルマニウム酸窒化膜 / 高密度プラズマ窒化技術 |
Research Abstract |
超LSIの性能向上はその心臓部を担うMOSFETの高性能化によって達成されており、今日に至るまで比例縮小則に従った微細化によって高集積化と性能向上を実現してきた。しかし、微細化に伴うゲート絶縁膜の薄層化によって、消費電力の増大や長期信頼性の面でデバイス特性に深刻な影響を及ぼしている。そこで微細化に依存せずに大きい駆動電流を得るための「ポストスケーリング技術」が求められており、チャネル移動度の向上が最も直接的なアプローチである。本研究では、シリコンで培ってきたトップダウン技術を応用でき、シリコンと同族のIV族半導体であるゲルマニウムに着目し、ゲルマニウムMOSデバイスの実現に向けた要素技術の研究に取り組んできた。昨年度は、高密度プラズマ窒化技術を応用したゲルマニウム表面の低温清浄化技術の確立、およびゲート絶縁膜としてのゲルマニウム純窒化膜の作製とその物性・電気特性評価を行った。本年度は、デバイスへの応用を考慮し、絶縁膜のさらなる薄層化と界面特性の向上を目指し、ゲルマニウム酸窒化膜の作製とその評価に取り組んだ。薄酸化膜(約2nm)をプラズマ窒化してゲルマニウム酸窒化膜を作製することで、酸化膜表面の清浄化と酸化膜のプロセス耐性向上に加え、薄膜領域においても優れた絶縁特性や界面特性を示すことを見出した。こうした酸窒化膜作製の独創的なアイディアと優れた成果によって、Applied Physics Lettersに英文論文誌が受理され、国内外の学会でも高い評価を受けている。さらに、米スタンフォード大学に約40日間留学し、半導体の先端研究に触れることで多くの刺激を受けるとともに、今後の研究に有意義な議論を活発に行うことができた。現在、高誘電率絶縁膜(high-k膜)を有したゲートスタック構造を提案し、これまでの要素技術を取り入れたトランジスタの作製及び評価に取り組んでいる。
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Research Products
(7 results)