2008 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナにおけるジベレリン受容体AtGID1の解析
Project/Area Number |
08J00469
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 浩之 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 植物ホルモン / ジベレリン / 受容体 / DELLAタンパク質 / 情報伝達 / シロイヌナズナ / three hybrid |
Research Abstract |
シロイヌナズナにおける3種のジベレリン(GA)受容体(GID1a,GID1b,GID1c)間の生理機能の差異が生じる原因を解る明する為に、以下の2点について解析を行った。 (1)GID1の量的な違いの検出 gld1a gid1c二重変異体花茎の矮性形質、および、gid1a gid1b二重変異体雄蘂の伸長不良形質に焦点を絞り、これら異常形質の原因が唯一残るGA受容体の量的欠乏である可能性を検証した。ownプロモーター&レポーター遺伝子発現ラインを作出して検討した結果、「花茎ではGID1b遺伝子が少なからず発現するが、その翻訳産物は何らかの理由により安定的に蓄積されず、結果、GID1bしか存在しないgid1a gid1c二重変異体花茎でGA受容体が欠乏して矮性形質が現れた」と結論した。 (2)GID1の質的な違いの検出 GAシグナルが伝わるためには、シグナル抑制因子DELLAはGID1-GA複合体に捕捉される必要がある。この反応は平衡反応であって、15通りのGID1-DELLA間の組み合わせ中に「親和性が他に比べて弱いことが主原因となってGID1-GA複合体に捕捉されにくく、そのためにDELLAとしての機能が残存するケース」があるとの作業仮説を立て、three hybrid系を用いて検証した。結果、雄蘂中の主要DELLAに対するGID1cの捕捉機能が弱いことがgid1a gid1b二重変異体雄蘂の伸長不良の原因である可能性を支持する結果が得られた。 以上、3つのジベレリン受容体の各々の機能分担に関する知見を得ることができ、現在論文を投稿中である。
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Research Products
(2 results)