2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00490
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 俊明 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポルフィリン / ポルフィリンテープ / 立体保護基 / 酸化還元電位 / 二光子吸収 |
Research Abstract |
1.三重縮環ポルフィリンテープの電気化学的性質の解明 ポルフィリンテープの物性についてはいまだ不明な部分が多く、これを解明することはポルフィリンテープの応用を考える上でも重要である。三重縮環ポルフィリンテープの酸化還元電位を測定したところ、多量化が進むにしたがって酸化電位は負に、還元電位は正にシフトしていることが分かった。その差からHOMO-LUMOギャップを求めると、多量化が進むにしたがってKOMO-LUMOギャップが大きく減少しており、吸収スペクトルの結果と一致した。また、これらの酸化還元電位およびHOMO-LUMOギャップはポルフィリンユニットの数Nの逆数に比例しており、このことからポルフィリンテープの電子モデルとして自由電子モデルが適当であるという理論的な予測を実証することが出来た。 2.ハイブリッド型二重縮環亜鉛ポルフィリンテープの合成 ポルフィリンのβ位選択的ホウ素化反応を利用して中心金属として亜鉛を持ち、かさ高い置換基を導入したハイブリッド型二重縮環ポルフィリンテープ2量体DBO2およびsyn、anti型の3量体DBO3を合成した。吸収スペクトルの測定の結果、DBO2およびanti DBO3は従来の二重縮環ポルフィリンテープに類似した物性を持つが、syn DBO3は大きく異なる吸収を示し、また唯一蛍光を発したことから、異なる電子構造を持つことを明らかにした。また、二重縮環ポルフィリンテープをDDQ-Sc(OTf)3でさらに酸化することによりベンゼン環のオルト位とポルフィリンのβ位が縮環した二重縮環ポルフィリンテープが得られることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)