2008 Fiscal Year Annual Research Report
人型ロボットを用いた相互作用における身体同調動作の実現
Project/Area Number |
08J00504
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山岡 史享 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ロボット / インタラクション / 同調 / 注意共有 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,人同士で行われるような身体同調動作をロボットで実現することである.人は,対話の最中にお互いが身体動作を同調させながら意思疎通を図っており,人とロボットが意思疎通をするためにもロボットが身体動作を同調させることは重要となる.本研究では,身体同調動作として,注意共有のための立ち位置調整行動について注目した.これは,身体を同調させる効果があるのは,2者が同じ対象のモノに注意を共有する場面であると考えたからである.本研究では,まず2者がモノに関して注意を共有し対話する場面をモーションキャプチャシステムによって分析した.分析した結果を基にO-space制約と呼ぶ会話参与者の興味対象を共有する空間を作るための制約から構成される立ち位置モデルを立てた.この立ち位置モデルを人型ロボットに実装し,提案モデルに従うロボットの有効性を検証した.22名の参加者実験で検証した結果,提案モデルに従うロボットの有効性が示された.この研究結果は,学術的に価値があると認められ日本ロボット学会の論文誌として採録された. ただし,上記モデルだけではロボットが適切な立ち位置へ移動できるは,人からの明示的な注意が提示されたときのみであるという問題があった.そこで本研究では,人同士の対話分析結果から非明示的注意モデルおよび注意対象が複数でも対応可能な立ち位置モデルを提案した.これにより,同調的な立ち移動に基づくことで相手と注意共有を可能とするロボットを実現できた.さらに,18名の参加者実験で検証した結果,提案モデルの有効性が検証された.この研究結果は,採択率19%の人とロボットの相互作用に関して最高レベルの国際会議HRI2009に採択された.
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Research Products
(2 results)