2008 Fiscal Year Annual Research Report
マダガスカル語Antandroy方言の記述言語学的研究
Project/Area Number |
08J00516
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西本 希呼 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | マダガスカル語 / Antandroy / 記述言語学 / 文法記述 / 比較言語学 / 東南アジア / 民族多様性 / 識字教育 |
Research Abstract |
マダガスカルには、オーストロネシア語族に属する約20のマダガスカル語の諸方言が話され、東海岸にはラテン文字導入以前のアラビア文字を保持する民族が存在する。また、アフリカからの奴隷の子孫がバンツー系言語を保持して生活を行っている、多様な国である。20世紀に入ってから、インドネシアの諸言語との比較研究が本格的に開始した。マダガスカル語の能格性、他動性、関係節のアクセシビリティなどといった側面から、マダガスカル語は注目を浴びている言語である。しかし、マダガスカル語の研究は発展途上であるといえる。特に、書記言語として用いられていない、多くの農村部の方言は、書記化資料の豊富なマダガスカル語標準語(首都近辺で話されているMerina方言がもととなっている)との音声面、形態面、統語面などでの違いが多く観察され、現地の話者にも認識されているにも関わらず、資料は希薄なままである。本研究は(1)Antandroy方言を中心とした南部のマダガスカル語の諸方言を取り上げ、Merina方言との比較研究につなげること、(2)MDGs(ミレニアム開発目標)の転換期を迎える今のマダガスカルの教育事情を言語教育・識字教育の観点から追及することの、研究と実務の架け橋する二点からなる。 2006年、2007年に断続的に行ったマダガスカル語Antandroy方言の調査をまとめ、「マダガスカル語Antandroy方言の文法研究」として2008年7月に博士予備論文(修士論文に相当)として提出した。これらの成果の一部を書き改め、2009年マレーシア、バルバドス、ギリシャで行われる学会で発表する。2008年8月、9月に実施したマダガスカルにおける現地調査では、Antandroy方言の動詞の命令文と述語の関係に焦点をあてて調査を行った。
|
Research Products
(3 results)